金ヶ崎に広がるコンテナヤードに汽笛が響き渡り、ディーゼル機関車の力強い唸りが聞こえてくる。
敦賀港駅を訪れると、ちょうど貨物列車が出発したところだった。

敦賀港駅は当初金ヶ崎駅と呼ばれていた。
明治末期から昭和初期にかけて欧亜国際列車が運行され、
ここからウラジオストク航路に乗り継ぎ、遥か欧州を目指す人や荷物で賑わっていた場所。
そんな敷地の一角に、ひっそりとランプ小屋は建っていた。

ランプ小屋は、列車の灯火に使用されるカンテラの燃料を保管する油庫としてかつては主要な駅に一般的に存在したもの。 しかし光源が電灯に変わるなど、その用途が消滅すると、駅の増改築などで急速にその姿を消してしまったようである。 敦賀港駅のランプ小屋は、現在も駅の倉庫として使用されているようだ。

近代のコンクリートブロックやスレート造のものとは違い、丁寧に積み上げられたレンガや開口部のアーチなどは、独特の趣があって美しい。
そのレンガを良く見ると、ところどころに何か四角い小さな文字が刻まれていることに気付く。
説明によれば、レンガを作った職人のサインのようなものだそうだ。
金ヶ崎を訪れたら少し足を止めて、百数十年前の彼らの仕事に見入ってみるのも楽しい。 ランプ小屋は駅の敷地内にあるため立ち入ることはできないが、金崎宮前の駐車場から間近にその姿を見ることができる。